2024年10月29日、11月5日、11月12日の3日間、千葉県立千葉商業高校の「総合的な探究の時間」と「ロングホームルーム(LHR)」において、3年生8クラス、約300名を対象に、千葉公園をテーマとしたビジネスアイデアを創造する授業を千葉大学IMOが実施しました。これまで、千葉大学IMOの小牧瞳(高度特定専門員:URA)が中心となり、千葉商業高校、ならびに地域の企業の方々と連携して、授業開発から実施まで進めてきました。
授業には株式会社拓匠開発の大岩哲己様をはじめ、多くの千葉に関わるゲストの方にご参加いただき、生徒たちのアイデアへフィードバックをいただきました。
今回の授業内容
授業のミッションは、「千葉公園をテーマに起業計画を立てて学年総合優勝をねらえ!」。
生徒たちは2週間かけて千葉公園についてインプットを受けた上で、ペルソナにあったビジネスを考案し、プレゼンテーションを行いました。
使われた教材を開発は授業進行と同じく小牧URAが担当しました。授業開発の背景として、「生徒たちに実社会のことを考えて欲しいという千葉商業の先生の思いがあった」と話します。
1日目 10月29日の様子
10月29日(火)には、3年生全員で集まり千葉公園の現状を大岩様よりインプットいただきました。
生徒たちは、インプット内容や自身の経験を基に選定したペルソナにあった企画アイデアを出し合い、ビジネスアイデアをグループで作り込みました。
マップを参考にしたターゲットの体験設計や、サービス提供にかかる費用を計算し原価算出などを行い、アイデアだけでは終わらない実現可能なビジネスづくりに挑戦。最終日の発表へ向けてベースを作成しました。
2日目 11月5日の様子
11月5日(火)は、最終日の11月12日(火)の発表に向けて、ワークを進めました。ゲスト講師として、ビジネスや観光に詳しい千葉大学地域コーディネーターの阿部厚司先生をお呼びし、8クラスの生徒からの質問を受けました。
生徒には、審査する際の基準として、次の三つを伝えました。
(1)一つの課題や、ある人のニーズを捉えられているか?
(2)得られた情報を分析した上で解決策を考えられているか?
(3)提案された解決策は新しい価値を提案するものになっているか?
生徒の中には話を聞いてすぐには飲み込めないという表情をしている生徒もいましたが、阿部先生から「今はわからないままで良い。ただ、社会に出ると、いいことを考えて終わりではなく、自分が考えたアイデアを誰かに評価される時が来るっていうことだけまずは頭の片隅に入れておいてほしい。」とアドバイスをしていただきました。
3日目 11月12日の様子
11月12日(火)には、2週間かけて作ってきたビジネスアイデアをクラス内で発表しました。
審査員として9名のゲストをお呼びし、クラス内の優勝チームを決定。体育館にて学年優勝を決めるプレゼンテーションを行いました。作り上げたビジネスアイデアを紹介するだけでなく、より魅力が伝わるよう工夫を取り入れた発表が印象的でした。
▼生徒から出てきたアイデア
・芝生で光の映画祭りを開催する
・季節の食材を取り入れた限定スイーツを販売する
・水たまりアートを作成する
・フリーマーケットを開催し、千葉公園に来るきっかけを作る
・移動の不便さを解決するため人力車サービスを提供する
授業者・生徒たちの感想
▼授業者 小牧URAのコメント
「授業を開発していた時期には、生徒たちがどれくらい熱中してやってくれるだろう、この表現は難しいだろうか、と悩むことがたくさんありました。しかし、本日を迎えて、そうした心配がいらなかったと思えるくらい、生徒の皆さんがグループで協働しながらより良いものを出そうと考えてくれていたことを実感できました。これからこうした取り組みを千葉県内に広めていきたいと思います。」
▼進路担当 大川先生のコメント
こんなことができたらいいなが実現できた授業でした。学校だけでは実現できなかった授業ができ、生徒たちにとっても学校にとっても貴重な機会でした。ここからがスタートだと思っています。これからブラッシュアップしていきたいと思っています。
▼学年優勝した生徒のコメント
「優勝目指してここまで取り組んできました。手応えはあったのですが、実際に優勝できてとても嬉しいです。千葉駅周辺に映画館が少ない・芝庭の広いスペースを活用できるサービスにしたいという、地域とのつながりを取り入れたのが良かったかなと思います」
「今後も固定概念にこだわらないで新しいものを創造していきたいです。未来を作っていく若者の、その一助となりたいです」
チームメンバー
リーダー 神田(かんだ)さん、
渡邉(わたなべ)さん、小林(こばやし)さん、酒巻(さかまき)さん、櫻庭(さくらば)さん、今井(いまい)さん
※以下、五十音順