【報告】私立立花学園高等学校で教員研修を実施しました

2025年4月3日、私立立花学園(たちばながくえん)高等学校にて、千葉大学の小牧特任助教がアントレプレナーシップ教育の教員研修を実施しました。
教員研修としてアントレプレナーシップ教育の教員研修を行いました。
千葉大学では「EDGE-PRIME Initiative」事業(※)の一環として、高校生のアントレプレナーシップを育むため、アントレナーシップ実践プログラム(以下、アントレプログラム)の実施を予定しています。
そこで、教員の方々に、アントレプログラムで実際に使用する教材を用いた模擬授業を実施し、授業展開のポイントをお伝えする研修を行いました。
※千葉大学は、アントレプレナーシップ教育(起業家精神教育)の機会を高校生等へと拡大させる事業「EDGE-PRIME Initiative」に採択され、県内小中高生向けのアントレプレナーシップ教育の普及・促進に向けて活動をしています。この一環として、スタートアップ・ラボは千葉商業高等学校と連携し、授業実践などに取り組んでいます。
研修内容
教員研修の前半では、アントレプレナーシップ教育の導入教材である「ひな社長の挑戦」(開発:NPO法人企業教育研究会)を用いた授業を行いました。「ひな社長の挑戦」は、架空地域の統計情報から地域課題を洗い出し、解決策を生徒が提案する内容となっています。
参加した教員には、まず教材の基本的な構成と授業全体の流れについて説明を行い、そのうえで、授業をより効果的に進めるための以下のようなポイントを共有しました。
- 生徒を授業に引き込むための声かけや導入の工夫
- 地域特性を理解するための統計資料の説明方法
- 生徒が地域課題を整理する際に活用するワークシートの使い方
- 生徒に地域課題やその解決策を発表させる際の促し方
- 出てきたアイデアを整理・まとめるための方法
これらのポイントを押さえることで、実際の授業現場で本教材を活用しやすくなり、生徒の主体的な学びを引き出す授業づくりに役立ちます。

続く質疑応答では、生成AIの活用、フィールドワークにおける教員の関わり、学習の深化方法といったテーマについて議論が交わされました。
Q1. 生徒が事業計画でAIに頼ることはありましたか?
A. 一部の生徒が生成AIを活用していましたが、まだ少数です。AIを“答えを出してくれる存在”としてではなく、“壁打ち相手”のように使うのが効果的だと考えています。今後は、AIリテラシーや倫理についての授業も重要になります。また、AIに頼るだけでは思いがけないビジネスチャンスに気づけないこともあるため、独自の発想力が大切です。
Q2. フィールドワークでは、教員はどの程度関わっていますか?
A. 基本的に、教員は生徒に同行せず、生徒自身が主体的に動いています。「地域の企業や住民の協力の下、フィールドワークが実現できています。必要に応じて副校長等の学校の教員がサポートをすることもあります。
Q3. 課題解決型学習をどうすれば深められますか?例えば、SDGsの貧困という課題を解決するために、寄付をするという解決策を考えた先の深化が難しかったです。
A. 「目の前のこの人のためにこの具体的な課題に取り組む」という視点があると、活動が具体化し、学びが深まります。一方で、どこかの誰かの大きな課題は自分ごとになりにくいことがあります。先生はすべてを教えるのではなく、生徒に任せながら、適切なタイミングで声をかけて見守るスタンスが重要です。また、1年限りで終わるのではなく、継続的に取り組むことで学びが定着します。失敗しても構わないので、学んだことをアウトプットし、誰かに届けることが大切です。
立花学園高等学校の皆様、ありがとうございました。今後もアントレプレナーシップセンターはアントレプレナーシップ教育を推進していきます。