【報告】県立千葉商業高校にて、千葉大学IMOが高齢者へのスマホ活用策考案の授業を実施しました

高齢者のスマホ活用を促進するアクションを高校生が考案
2025年1月28日 千葉商業高校にて、「高齢者のスマホ活用を促進するにはどうすればよいか?」をテーマに授業を実施しました。
授業のねらいは、高齢者の方々へのヒアリングを通じ、実際の声を反映させた具体策を考案・発表すること。千葉大学IMOのURA(高度特定専門員)小牧瞳氏ら、千葉大学関係者が授業を担当しました。


授業と発表の内容
1時限目:アイデア出しに先立ち、千葉市老人クラブ連合会の皆様より、スマホにまつわる困りごとをお話しいただきました。それらをもとに、ワークシートを活用しながらアクションを考案。


2時限目:1時限目で考案したアクションをブラッシュアップ。予防医学の観点から、スマホを活用した健康増進の検証などを行う千葉大学予防医学センター准教授 中込敦士氏は、次のようにアドバイスしました。
「生徒の皆さんから出された素晴らしいアイデアを、より効果的なものにするために、さらに考えてほしいことが2つあります。
1つ目は、一歩進んだ仕掛けを考えること。スマホの講習会を開くと、次の回には使い方を忘れている高齢者の方々が大半です。そこで、習慣化をサポートするアプリ『みんチャレ』を活用し、継続的にスマホを使用してもらう仕掛けを作った事例があります。
2つ目は、アプリを使用すると買い物に使えるポイントが貯まるような健康アプリも、高齢者には人気だということです。ぜひ具体的なところまで、考えを深めてください。」
こうした視点を踏まえ、高齢者の方々へもヒアリング。実際にどのような点で課題や困難さを感じているのか把握し、その声を反映させた具体策を練り上げました。
発表内容は以下のとおり。
- 「高齢者同士のLINEグループを活用」
スマホの利用を習慣化するために、LINEグループを作成し、生活の出来事を共有する方法を紹介しました。 - 「支援者が高齢者と同じ機種・携帯会社でサポート」
支援者が高齢者と機種・携帯会社をそろえることで、操作方法を統一して指導できる環境づくりを提言しました。 - 「わかりやすい表現を用いた、機種別の使い方動画の作成」
スマホの使い方動画を機種別に作成し、発信する方法を提案しました。特に工夫した点は、高齢者の方々が直感的に理解できる表現を採用すること。例えば、iPhoneは「リンゴのマーク」、アンドロイドは「緑のロボット」といった具合です。




生徒・千葉大学関係者の感想
参加した千葉大学関係者 / 生徒に感想をいただきました。
▼URA小牧氏のコメント
「これまで、架空の誰かのために、情報を集め、アイデアを出し合い、練り上げるような授業をしてきました。今回は、実社会でまさに何かに悩んでいる方、もっとこうできたらいいのになと考えている方のお話を踏まえて、アイデアを出すための活動に生徒たちは挑戦しました。前半のコマでは、体育館でマイク越しに4人の方からのお話を学年全体の生徒たちが聞きました。後半のコマでは、各クラスの4名がパソコン教室に集まり、ゲスト講師に自分たちのアイデアを提案する形を取りました。生徒の予想以上に、前提として高齢者の方が知らないことがあり、では、それを踏まえて自分たちのアイデアをより良くするためにはどうしたらいいのかと考え直す姿が印象的でした。2年生、3年生になったときに、実社会へと自分たちが関わっていくときの練習になればと思います。」

▼発表した生徒のコメント
「これまでの授業では、架空の誰かを設定し、想像によって課題の解決策を考えてきたが、今回は直接話を聞くことができたので、より具体的な案を導き出すことができた。」
「自分の考えと実際に求められているものとの間には、意外と差があることに気づいた。自分が当たり前のようにできることでも、他の人にとっては難しいことがあると知るきっかけになった。」
千葉大学は、アントレプレナーシップ教育(起業家精神教育)の機会を高校生等へと拡大させる事業「EDGE-PRIME Initiative」に採択され、県内小中高生向けのアントレプレナーシップ教育の普及・促進に向けて活動をしています。この一環として、スタートアップ・ラボは千葉商業高等学校と連携し、授業実践などに取り組んでいます。
関連リンク
一般社団法人千葉市老人クラブ連合会 きらめきクラブちば(外部リンク)
【公式】千葉市老人クラブ連合会(@kiramekiclub.chiba)Instagram(外部リンク)
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