【報告】千葉市立椿森中学校にてIMO関係者が職業体験学習の授業サポートを行いました。

千葉大学学術研究・イノベーション推進機構(IMO)では、文部科学省「EDGE‐PRIME Initiative」事業の支援を得て、小中高生向けのアントレプレナーシップ教育(課題に対し、想像力を働かせてアクションを実行する教育)の教材開発を推進しています。2025年1月、この教材を活用した授業を千葉市立椿森中学校で行いました。

目次

企業の課題解決に中学生が挑戦!「お悩みバスターズ」を実施しました。

椿森中学校では、2年生を対象に、千葉市内の企業での職業体験授業を実施しています。それぞれの生徒が各企業で経験した内容を基に、生徒たちが自ら体験した企業の課題に向き合い、解決策を考案・プレゼンテーションするのが今回の授業のねらいです。

これらは、「総合的な学習の時間」を利用して実施され、千葉大学IMOのURA(高度特定専門員)小牧瞳氏が、同中学校2学年の先生方、NPO法人企業教育研究会の古谷成司氏とともに授業サポートを行いました。

企業の課題を解決!「お悩みバスターズ」
どんな風に授業が進むのかワクワク

3回の授業で企業課題へのアイデア出し、解決策の発表までを実施

授業は1月15日から毎週水曜日の合計3回実施されました。それぞれ、活動の様子をご紹介します。

【1回目】1月15日(水)14:05〜14:50

各生徒が職業体験を行なった企業から企業の課題を受け取り、「どうすれば解決できるか」に向けて“アイデア出し”を行いました。

アイデア出しでは千葉大学IMOが試験的に開発したワークシートに沿って、課題を解決するために必要な施策を考案。いつ、どこで、誰へ向けた、何を作っていくのかなどをワークシートに記入し、チームメンバー全員でアイデアを出し合いました。

課題の捉え方、アイデア出しの観点などについては、千葉大関係者が授業サポーターとしてアドバイスし、生徒たちの学習をサポートしました。

ワークシートに埋め込んでいきます
ワークシートを使い、議論する生徒たち
アドバイスを受けようと、生徒たちが順番を待ちます

【2回目】1月22日(水) 13:10〜13:55

1回目の授業で出したアイデアをもとに、プレゼンテーション資料の作成や、作品の制作に取り掛かりました。
「人材不足解消を目的としたポスター」「捨て犬への募金を呼び掛ける募金箱」「保育園児が楽しめるおもちゃの開発」などを行いました。

この日も、千葉大関係者がサポーターとしてアドバイス。アイデアの観点だけでなく、課題の本質的な問題は何か、何があれば解決できるのかなど社会の流れを考えるきっかけとなる助言を行いました。

パソコンを使って、プレゼンテーション資料を作成
見やすい、わかりやすい資料作りを目指します
オリジナル作品をアイデアを凝らして作成
アドバイザーからサポートを受ける生徒たち

【3回目】1月30日(木) 13:10〜13:55

2週間かけて作成した課題解決アイデアを、それぞれがプレゼンテーションしました。全ての生徒が自分たちで作成したパワーポイントや作品を用い、中学生ならではの視点でアイデアを提案、クラスメート同士でアイデアの評価を行いました。

発表例:

  • 食品ロスを減らすために、野菜ハンバーグを提案
  • 教室の掃除が楽になる、紙コップでできたオリジナル掃除グッズの提案
  • 人手不足を解消するために、大学生を対象としたオリジナルのポスターを作成
発表練習中の生徒
自分たちの作成した資料で発表
中学生ならではのアイデアで作品を制作
クラスメートの発表を評価する様子

参加した生徒・千葉大関係者の感想

参加した椿森中学校の生徒/千葉大関係者に感想をいただきました。

授業に参加した生徒の感想

  • 「自分のアイデアをクラスメートに聞いてもらえて嬉しかった」
  • 「会社の問題を考えるのは難しかったが、インターネットを活用しながら形にすることができた」
  • 「人手不足に悩む会社が多いということを知ることができた」
  • 「中学生だけでは考えられなかった観点からアドバイスがもらえて、プレゼンテーションを作ることができた」

URA小牧氏のコメント

開発したワークシートを先生方にお見せしてから授業実施まで、1ヶ月も経たないうちに、先生方でワークシートをアレンジして授業実施まで進めてくださいました。

生徒は大きな経営課題から、オペレーションの具体的な課題まで、職場体験先から学んできていました。与えられた環境の中で言われたことを正確にこなすだけでも簡単なことではありませんが、さらに一歩踏み込んで、中学生の立場からどのような解決アクションを実際に行えるかまで考えることは、自分たちが社会を作っていく一員になることを実感できる機会になるのではないかと考えます。

授業の中でのお気に入りのワンシーンは、「給食センターで聞いた野菜嫌いの人がいるという困りごとに対して、実際に美味しく食べられる野菜ハンバーグや野菜たこ焼きを作って家で食べてみました!」という発表に対し、教室がすごいなという雰囲気が流れた後、「でも、写真を撮り忘れました!」との発言に教室がずっこける雰囲気になっていたところです。

授業サポーターの私も先生方も事前に念押しで伝えていましたが、当然こうしたことも起きます。ただ、このエピソードは安心できる環境の中で「もっとこうすればよかった」と思えるだけの活動に取り組めた証です。その積み重ねの先に、自分が挑戦するということがあるのではないかと思いました。

千葉大スタートアップ・ラボにお気軽にお問合せください。

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